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真壁寂室



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真壁寂室

花魁心中、哀燦々

Lyricist:真壁寂室
Composer:真壁寂室・ヒバリタカチカ

シャンシャンシャンシャンシャン
箱提灯ゆらゆらゆら
八文字でカッカッカッ
憧れてゐた高嶺の花
禿修行のにつちもさつちも
行かなひ日々も遂に区切り
光栄へる遊郭に咲く
蝶の名は「市梅」御見知り置きを

でもね、わちき戀をしてゐる
ひとつ後ろ傘をさす人
貴方様想ふ此の胸が
柔き常夜灯の如く燃ゆる

抱き締めてわちきの 愛し人よ
夜に咲く花魁道中
運命を赦しておくんなまし
此の心濡らすのよ哀愛がサ

鐘四つカンッカンッカンッカンッ
吐息鳴らすアッアッアッ
庭雀がチュンチュンチュン
憧れてゐた貴方様の花
ふたりに帰る場所は無ひ
きつと此の戀も叶わ無ひ
泣ひて藻掻ひても
愛して仕舞ふでせう
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消えぬ常夜灯に
蝶は何想ふ

ずつとわちき信じてゐる
貴方様との穢れ無き愛を
傘が、貴方様が居るから
悲しみも耐えられる氣がするわ

抱き湿つて届かぬ遠きひと夜
狂ひ咲く戀は未だ途中、
派手な帯を緩めて夜を売る
終わらなひで。貴方様との相合傘

「さあ、ふたり此処から逃げませう」
ひとつ後ろ貴方様囁く
幾度夜を越えやうとも
触れられなひ愛は門の外

噛み締めてふたりの哀しひと夜
ずぶ濡れで花魁道中
此の街は如何しても逃げれぬのに
高下駄を脱ぎ捨てて走り出す

抱き〆るふたりの哀しひと世
夜空見上げ花魁心中
泣かなひで。来世でまた逢ひませう
相合傘、哀愛がサ燦々だわ